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    〇S&T DANGANハイパーガスとは?

    S&T DANGANハイパーガスは、海外製エアガンの輸入販売を手掛けるUFCさんが製造する日本製のエアソフトガスガン用ガスです。

    ガスの成分は、HFO-1234ZEとLPGの混合ガスで、フロンを含まないノンフロンガスです。

    ノンフロンガスを使う事は、フロンガスに比べて温暖化係数を低く抑えることができ、環境に優しいという点が大きな特徴です。

    ノンフロンガスは、既にマルイさんでも発売されていますが、ガスの成分はS&T DANGANハイパーガスと同じですね。

    HFO-1234ZEは温暖化係数が1以下という、環境への影響が大幅に軽減される素晴らしいガスですが、従来のガスに比べるとガス圧が低く、単体ではブローバックガスガンの作動性が良くありません。

    なのでガス圧の高いLPGを混ぜて、従来のガスと同程度のガス圧に調整されています。

    ✅ 飽和蒸気圧(気化圧力)比較表

    ※基準温度:25℃(室温)

    ガス名化学式飽和蒸気圧(25℃)備考
    HFO‑1234zeC₃H₂F₄約 0.29 MPa(≒3気圧)不燃性、GWP < 1
    プロパンC₃H₈約 0.88 MPa(≒8.8気圧)高圧・可燃性
    ブタンC₄H₁₀約 0.22 MPa(≒2.2気圧)低圧・可燃性
    HFC‑134a(従来ガス)C₂H₂F₄約 0.57 MPa(≒5.7気圧)中圧・非可燃・高GWP

    🔍 解説

    • HFO‑1234ze:圧力はかなり低め(3気圧程度)。安全性が高いが、単体ではガスブロの作動にはややパワー不足。そのため、LPG等との混合がよく行われる。

    • LPG(プロパン・ブタン):可燃性だが高圧。特にプロパンは8.8気圧もあるため、パワー面では非常に優れる

    • 混合ガス(例:S&Tダンガンハイパーガス):HFO‑1234zeとLPGを適切にブレンドして、パワーと環境性能のバランスを取っている。

    GWP(地球温暖化係数=二酸化炭素を基準「1」として、放出された気体の濃度あたりの100年間の温室効果の強さを比較して表したもの。)

    〇S&T DANGANハイパーガスと従来ガスの違い比較

    HFC134aガスは長年にわたってガスガンのスタンダードとして使用されてきた実績があり、不燃性で安定した性能を提供しますがGWP(地球温暖化係数)が1,430と、オゾン層は破壊しないものの高い温暖化効果を持っているため、段階的に削減することが決められており経済産業省の削減スケジュールによると、2019年を基準として2024年までに40%、2029年には70%、2036年では85%という削減計画が立てられています。

    HFC-152aも、HFC-134aと共にエアガンに使われているガスで、GWP124と比較的低い数値ですが可燃性で、HFC134aガスと同様に削減対象になっています。

    それに対してHFO-1234ZEのGWPは1以下、LPGも3~4と温暖化係数が低く抑えられていて、当然ながら規制対象外です。

    ただしLPGを混合しているため可燃性があり、取り扱いには注意を払い火気の近くでの使用や保管を避けることが推奨されます。

    ✅ GWP(地球温暖化係数)比較一覧表

    ガス名化学式GWP(100年)可燃性備考
    CO₂(二酸化炭素)CO₂1(基準)非可燃地球温暖化係数の基準物質
    HFC‑152aC₂H₄F₂124可燃性あり低GWPのHFC、ガスガンガス
    HFC‑134aC₂H₂F₄1,430非可燃従来の冷媒/ガスガンガス
    HFO‑1234zeC₃H₂F₄<1(約0.07)非可燃〜弱可燃次世代冷媒/ノンフロンガス
    LPG(プロパン)C₃H₈3可燃性強い高圧・パワー向け・安価
    LPG(ブタン)C₄H₁₀4可燃性強い低圧で扱いやすい

    〇性能と使用感

    エアガンレビュー 特集 エアガン用ガスの今後 HFC134a HFC152a代替フロンからノンフロンガス HFO1234zeへ

    エアガンレビュー 特集 エアガン用ガスの今後 HFC134a HFC152a代替フロンからノンフロンガス HFO1234zeへ

    これは、マルイ製ブローバックガスガンのV10ウルトラコンパクト、弾は0.2gBB弾を使用して、気温28.4℃ 湿度78%の中で約1秒間隔で全弾発射した時の初速の変化の表です。

    初速とは弾の威力を、弾が銃口から発射された時の弾のスピードで表したもので、今回はm/sの数値です。(一秒間に進む距離をメートルで数値化したもの)

    一般的にガスガンは、連射するとガスの気化熱で急激にマガジンが冷やされ、ガス圧の低下で初速が徐々に落ちていきます。

    ノンフロン・ガンパワーは、従来のHFC134aガスやHFC152aガスと比較して弾速が平均10%前後低下すると公表されている通り、少し低い値になっています。

    ブローバックの感触も、少し弱く感じますね。ただ作動性が極端に低くなる事はありませんでした。

    それに対して、ノンフロン・ガンパワーと同じHFO1234zeとLPGを配合したガスの、S&T製DANGAN ハイパーガスはHFC134aガスと同等の性能を出しています。

    これは2つのガスの配合比率の違いによるもだと思われます。そこまでは記載されていないので、判りかねますがね。

    従来のHFC134aガスやHFC152aガスと同等の性能なら、全く不満無く使用できます。

    エアガンレビュー 特集 エアガン用ガスの今後 HFC134a HFC152a代替フロンからノンフロンガス HFO1234zeへ

    こちらもマルイ製ブローバックガスガンのAKMを使用して、同じ様に計測したものです。

    これもノンフロン・ガンパワーが少し低い値になっていますが、HFC134aガスよりガス圧が少し低いはずのHFC152aガスが高い数値になっているのは意外です。

    何か手違いがあったのかな?

    こちらも、S&T製DANGAN ハイパーガスはHFC134aガスと同等の性能を出しています。

    〇まとめ

    環境規制が強まる中、HFC-134aに代わる新しい選択肢として登場した「S&T DANGAN ハイパーガス」。

    その魅力は、HFO-1234zeを中心としたノンフロン系の環境性能と、LPGブレンドによる実用的なパワーの両立にあります。

    可燃性という扱いの注意点はあるものの、寒冷地での動作安定性や、GBBとの相性を考えると、そのバランスは非常に優秀で、多くのユーザーにとってちょうどいい落としどころといえるでしょう。

    価格的には従来のガスよりはまだ高めですが、最近では200ml缶に加えて、お徳用ビックサイズの400ml缶も登場して、割高感も軽減されてきました。

    エアガンライフを環境にも配慮しながら楽しみたい。そんなユーザーにとって、「S&T ダンガン ハイパーガス」は、新時代のスタンダードとなり得る1本です。

     

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